美容皮膚科は美容外科に代わって女性の熱い期待に応える、夢の美容医療になりえるのだろうか。ここで忘れていけないのは、安い、安全、を求めれば、当然効果もそれなりになっていくということである。最近美容皮膚科の診療をしていて感じるのは、期待の高騰ぶりである。スキンケアを替えるだけで毛穴を小さくしたいとか、一度のピーリングでシミを全部消すなどと考えて受診される方が少なくないのである。たしかに美容皮膚科では毛穴もシミもシワも扱っているが、通院しないでホームケアだけで肌質まで変えたいとか、一度や二度の治療であれもこれも消したいと言われても無理な相談である(例えばピーリングであれば効果を出すのに最低5回くらいは必要である)。医者だから普通の化粧品やエステにはできないことでもできるだろう、と思うのは勘違いである。期待する気持ちはわかるし、それも間違いではないのだろうが、それにしても期待は高まる一方である。美容皮膚科全体をマスコミが持ち上げすぎていることもあるし、やはり美に対する女性の欲望はつきないということだろう。美容皮膚科人気は海外でも高まっており、このニーズ自体はなくなることはないと思うが、ブームが先走っている感がどうしてもいなめない。ブームにのっていい加減な美容皮膚科が出現したり(院長の専門が皮膚科でないなど)、いきなり美容皮膚科療に転身する美容外科まで現れる騒ぎである。このままいくと、一度は美容皮膚科バッシングの時代もくるのかもしれないと思う。いきすぎたブームの陰で、かつて美容外科やエステで起こったようなトラブル(金銭トラブルや、治療の結果がよくないなど)が美容皮膚科で発生しているのも事実だからである。バッシングの後に美容皮膚科も淘汰されて、結果的に質のよいところだけが残れば、それはそれでよいのかもしれない。
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